1 開運の如何は、官禄(額中央)と準頭(鼻頭)と福堂(眉上)と顴骨と地閣(あご)とを觀て相すべし。
2 右五ヶ所豊滿にして疵痕(きず)、缺陥(凹)、黑子等の諸の障り無き備はりよき人は、生涯の運勢頗(すこぶ)る盛なるものなり。
・右一ヶ所にても障りあれば、運氣にも障りありと知るべし。
3 右五ヶ所の中、鼻を以て主とし、官禄、地閣、両觀骨共に能く應(おう=バランス)じる人は、必ず運強し。但し、障りの有無を見て、吉凶を判断ずべし。
4 上停は初年、中停は中年、下停は晩年の運として觀るペし。
水野南北、師に問ふ、今既に運の開いて居る人の相を觀ること如何と。
海常答へて曰く、
1 地閣頤(あご)の肉豊かにして、頤の節廻りたる者は、當時運の開きたる人なり。
2 少し廻る様に見ゆるは、これより追々に運の開く人と知るべし。
3 運の盛なる時は頤の節自然に勢ひあり、地閣何となく勢有って賑かなり。
4 故に當時の運を見ることは、下停を能く見るペし。
5 又、髪の色艶ありて潤はしく見ゆるなり。運惡しき時は、艶必ず悪しく、
6 尤も眼中の潤ひ、黑白等の清濁とを能く見て、諸穴所を取合せて觀察すべし。
7 然れども第一は下停の勢ひを見ること相法の極意なり云々と。